北見に日本酒処「かとう」(北見市北6条西3)がオープンして3カ月がたった。
山下通りから繁華街に一本入った通りの「カトービル」2階にある同店。スナックを改装した店内にカウンター5席、テーブル3席を用意し、家庭料理と日本酒を提供する。
店主は端野町出身の加藤泰司さん。高校生までの時期を同町で過ごした後、北海道教育大学の釧路校へ進学して小・中・高校の教員免許を取得する。卒業後、道内各地の学校で教諭を務める中、当時勤めていた斜里地区で同年代の酒屋店主と懇意になり、一緒に日本酒を嗜(たしな)むなかで日本酒の楽しさや奥深さを知った。
1984(昭和59)年に斜里町立斜里小学校へ赴任して以降、定年退職までオホーツク管内に勤めた加藤さん。定年後も美幌教育委員会で子どもと関わる仕事を続けていたが、「いつか自分の店を始めたい」という夢をかなえるため、3月で教員を辞め、6月10日に同店を開いた。
日本酒は常時30種類以上を用意し、冷や常温、ぬる燗(かん)などで提供する。加藤さんのお薦めは「田酒」「豊盃」「陸奥八仙」「鳩正宗」の中から3種を選んで飲み比べができる「青森飲み比べ3種」(900円)。「陸奥八仙はフルーティーでフレッシュな味わいなので食前酒に、豊盃は米のうまみをしっかり感じる酒なので食後酒にお薦め。田酒はしっかりとしたうまみがありながらもすっきりした飲み口で、一緒に食べる料理によって味わいが変わるのが面白い酒。食中酒として楽しんでもらえたら」と話す。
同店では日本酒以外にも「本日のおかず」と「本日のアテ」に力を入れているという。「アテはちびちびつまんで食べられるよう小皿で提供する。人気のメニューは『冷ややっこオホーツク醤(じゃん)のせ』『梅しょうがひじき』『十勝若牛のしぐれ煮』(各200円、3品で550円)など」と話す。「料理は全て妻の手作りで、保存料や化学調味料を使わず道産食材にこだわっている。おかずだけでなくライスも準備しているので、お酒だけでなく食事も楽しんでもらえたら」とも。
「開栓した日本酒は毎日テイスティングして鮮度をチェックしている」と加藤さん。「当店でおいしい日本酒とアテをつまみながら、晩酌を楽しんでもらえたら」と笑顔を見せる。
営業時間は17時30分~23時。月曜・木曜・日曜定休。