北見のコワーキングスペース「KITAMI BASE(キタミベース)」(北見市北2西2)で3月12日、「第5回地域イノベーションフォーラム」が開催された。主催は地域デザイン学会事務局。
地域デザインを通して地域の問題解決や地域の価値を高めることを目的として2018(平成30)年に始まった同イベント。1~3回は東京都内で、4回目はオンライン開催したが、5回目の今回はテーマを「ポストコロナ時代の北海道オホーツク(北見)の地域ベンチャー企業の活動と課題」と題して、ハイブリッド開催にした。当日は、会場約20人、オンライン約10人が参加した。
講演に先立ち、総合司会を務めた藤井享北見工業大学教授は「北見はオホーツクの中心エリア。企業や社会のあり方が変化している今だからこそ、地域と企業が共創していくことが重要」と述べ、地域とベンチャー企業のつながりの大切さを話した。
「北見市におけるベンチャー支援政策と地域特徴を生かしたローカルエコシステム戦略」では北見市商工観光部商業労政課長の境達也さんとロジカル社長の西野寛明さんが、「研究開発×デザイン経営を活用したベンチャー型事業承継への挑戦」では環境大善社長の窪之内誠さんが、「ベンチャー支援における金融機関の役割とは」では日本政策金融公庫前北見支店長の森本淳志さんが、それぞれ北見の事例を交えながら現在の取り組みと今後の課題を紹介。
「既存産業とテクノロジーが結びついた自然な暮らし、通称「オホーツクバレー」の普及を目指している」と話すロジカルの西野さん。講演の中で「一般的なシリコンバレーシステムは規模感が違いすぎて地方には当てはめづらい。北見らしさを大切にしたローカルエコシステムをかたちづくることで企業、行政、大学、経済団体がつながり発展していけば、おのずと人材誘致の問題も解決する」と話した。
後半のパネルディスカッションでは、「地域におけるイノベーション創出に資するエコシステムとは」をメインテーマに、「オホーツクでビジネスを成功させるための研究シーズ」「突出したベンチャー企業を北見から輩出するために必要なこと」「北見市役所が産官学の官として担うべきこと」「北見でスモールモデルを作成して全国に展開するための課題」について登壇者4人が熱く議論を交わした。