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北見市在住作家・長田太朗さんが講演 デビューまでの軌跡や地元への思い語る

長田太朗さん

長田太朗さん

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 北見市立中央図書館(北見市泉町1)で3月26日、北見市在住の作家・長田太朗さんのデビュー作「私が月灯(あか)りに照らされるころ」の出版を記念した講演会がハイブリッド開催された。

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 同書は、主人公の柴山愛菜が運転する車が猛吹雪の中で故障し入院したことをきっかけに、一晩のうちに高校時代の1年を振り返るような夢を見る青春恋愛ファンタジー物語。作中では、主人公と幼なじみの相馬龍太郎が北見で過ごした思い出の日々や問題を乗り越え成長、変化していく姿が四季の移り変わりとともに生き生きと描かれている。

 長田さんは佐呂間町出身。佐呂間高校卒業後、江別市の酪農学園大学へ進学。幼少期はあまり読書をするタイプではなかったが、大学卒業後に本と関わる仕事を経験したことをきっかけに読書の楽しさを知る。そうした中、職場で業務日誌につづった文章が褒められ、同僚の「本を書いてみたら?」という一言で創作への思いが強くなり、退職後1カ月半で同書を書き上げた。

 その後は文学賞に応募するも落選が続き、作品への自信が揺らぐ中、最後に応募した文芸社の選考委員会から出版を打診する声が掛かる。「作家としてデビューできるうれしさより、ちゃんとやっていけるだろうかという不安の方が大きかった」と当時を振り返る長田さん。そんな時、恩師に「新しいことを始めるときは失敗や、思い通りにならないことがあるかもしれない。でも、『大変』は『大きく』『変わる』ということ。太朗くんには成長できる力がある。大変を乗り越えて成長した太朗くんの姿を見せてほしい」と激励を受け、小説家になることを決意した。

 「老若男女問わずたくさんの人に読んでもらえるよう分かりやすい話にした。中でも中学生や高校生ぐらいの若い人に読んでもらえたらうれしい」と長田さん。「本を読んだ人に頑張るぞという気持ちになってほしい。北海道を舞台にした作品を作ることで、まずは地元の佐呂間町が、次に北見が、そしてオホーツクが、最終的には北海道が盛り上がってくれたら」とも。「今後も小説を通じて北海道の良さを発信していけたら」と笑顔を見せる。

 A6並、224ページ。価格は770円。今後は電子書籍での取り扱いも予定。

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