「北海道地区溶接技術競技会」で優秀な成績を収めた倉本鉄工所(北見市泉町1)の野中亮平さんが4月16日・17日に開かれた「第66回全国溶接技術競技会」への出場を果たした。2021年度の同大会は三重県で開催し、全国から112人が参加した。
野中さんは北海道地区大会の「半自動アーク溶接の部」で全道20人中6位、ブロック(北見・旭川・釧路・帯広)で1位の成績を修めて全国大会への出場が決まった。野中さんが同大会に出場するのは2回目。
北見市出身の野中さん。小さい頃からプラモデルや機械いじり、自転車を装飾する「デコチャリ」など、ものづくりに没頭。北見工業高校の電子機械科を卒業後、北見高等技術専門学院の電子機械科(現機械技術科)に進学して工業製品の製作技術や知識を学んだ。卒業後は市内の農業機械メーカーに勤務して製造から組み立て・塗装や修理などの業務に幅広く従事する。そうした中で、業務の一つである「溶接」の業務に特に魅力を感じて2017(平成29)年、専門学生時代にインターンシップで訪問した縁のある同社に転職した。
「5歳ぐらいの頃、コンセントの穴にいたずらで針金を突っ込んで火花を散らしたことがある。今思えばそのとき見た火花がきれいだったことが、溶接を好きになるきっかけだったのかも」とほほ笑む野中さん。「鉄板同士をきれいに溶接できたときの達成感はひとしお。日々技術を磨いて、これからもお客さまにお褒めの言葉を頂ける仕事をしたい」とも。
これまでに市のクリーンライフセンター(大和)や浄化センター(春光町6)など大型のプラント製作を請け負ってきた同社。倉本真社長は「当社では設計・開発から製作、据付・修繕までを一貫してオーダーメードで行う。現場に合わせてさまざまな製作に携わるので、必然的に応用力が培われる」と話す。「野中さんは勤勉で練習熱心な製缶のプロフェッショナル。そんな社員と共に、これからも『マチのよろず鍛冶屋』として地域に貢献できたら」と笑顔を見せる。
4月13日には全国大会への出場を報告するため、辻直孝北見市長を表敬訪問した。辻市長は「全国大会出場おめでとうございます。この成績は地域にも名誉なこと。心から応援しています」と、祝いの言葉と共にエールを送った。
全国大会の結果発表は7月以降の予定。