網走中央商店街「Apt.4(アプトフォー)」(網走市南4条西1)をアピールするためのホームページ「なしたおじさんに聞く」とオリジナルソング「なしたラップ」が1月14日、ウェブで公開された。
両タイトルにある「なした」は「どうしたの?」という意味の北海道弁で、「なしたおじさん」は同商店街で気さくに話しかけてくれる店主たちの愛称。
同サイトでは「商店街の人たちの温かい人柄を知ってもらえたら」と網走商店街振興組合理事長を務める「フジヤ書店」(南4条東1)店主の田中雄一さんと「西川呉服店」(同)店主の西川伸一さんにインタビューしたショート動画を公開している。
田中さんはラップの作詞にも携わった。考案した歌詞には「ボンモイ(ポンモイ海岸)」「帽子岩」「二つ岩」などの観光名所名が使われているほか、「人減る 商店街」「本買おう 使うのは Amazon勘弁してくれよ」など切実なメッセージも込められている。
ラップとサイトを企画したのは北見工業大学地域未来デザイン工学科の学生3人。オホーツク地域のまちづくりや産業支援について実学を通じて学ぶ「観光マネジメント工学」の講義の中で網走のコワーキングスペース「NASCITA(なした)」が昨年9月にオープンすることを知り 、「地域貢献につながるテーマ研究をしたい」と同スペースの広告戦略として楽曲とサイトの制作を決めた。
田中さんと共同で作詞した工藤悠作さんは「完成まで2カ月半かかった。歌詞には切実なメッセージが込められているが、悲壮にならないようメロディーラインが工夫されているので、ぜひ聴いてみてほしい」と呼びかける。
「網走に漂着する流氷をイメージした、きれいなメロディーになるよう作曲した」と話すのは作曲と編集を担当した藤田喜祈さん。「『なしたおじさん』や商店街の人たちの人柄の温かさをサビで表現している」とも。
インタビュー動画を撮影したジラールノエルさんは「取材の最中も常連のお客さまが来て楽しそうに話しているのが印象的だった。商品に関する質問だけでなく、道案内やお薦めの飲食店を教えてもらうこともできるので、たくさんの人がつながる場所になってほしい」と期待を込める。
「地域振興に大切なのは『熱量』と『アクション』」と話すのは同大非常勤講師の西野寛明さん。「ラップのサビには田中さんの『魂のリリック』が込められている。幅広い世代に聴いてもらい、『なしたおじさん』と網走商店街に興味を持ってもらえたら」とも。