美容室「LEUN・LEUN(ルアン・ルアン)」(北見市高栄東町4)が北見・つつじ公園近くの美山通りにオープンして、8月8日で半年がたった。
店主は北見市出身の藤原和美さん。がん患者の外見の変化に起因する苦痛を軽減するアピアランスケアやウィッグのカット技術を学んだ「医療美容師」として、ヘアーカットのほか、医療用・おしゃれ用ウィッグのカットを行う。
医療美容師を目指したきっかけについて、藤原さんは「がんの闘病をしていた祖母にウィッグのカットをお願いされたとき、ウィッグやウィッグの下から出る地毛をどうカットしていいのか分からず、ほとんど触ることができなかった」と振り返る。その後、アピアランスケアやウィッグのカットについて学び、昨年春に資格を取得。「お客さまに、人目を気にせず来店してもらえたら」と2月8日、独立・出店に至った。
来店者のプライバシーに気遣う藤原さん。「がん患者のお客さまが周りの目を気にせず施術できるよう、予約が重ならないように調整したり、予約の前後15分に空きを作ったりするなど配慮している」と話す。
ウィッグカットには性質に対する理解や知識が必要だという。「人工毛のウィッグは人の髪と違って毛量や質感が均一なので、そのままかぶると違和感が出てしまう」と藤原さん。「人工毛・人毛・ミックスなどウィッグによって性質も違うので、着用する人が違和感なく過ごせるように施術したい」と話す。
ランブス医療美容認定協会が発行する民間資格である医療美容師の有資格者は現在、オホーツク管内には藤原さんのみ。「抗がん剤治療後は毛質が変わってしまうことがあるので、生えてきた髪の扱いに困っている方の相談にも乗れる」と藤原さん。「希望があればパーソナルカラー診断や、顔色が良く見えるメークのアドバイスなどもできるので相談してほしい」とも。
6月には、ウィッグドネーションの取り組みも始めた。「使わなくなったウィッグをお客さまに寄付していただき、営業時間外にメンテナンスして市内の医療機関に寄付する。がん治療には時間もお金もかかるので、役に立てればうれしい」と藤原さん。「いろいろな方に力添えいただき出店できた。外見が変化して外に出たくないと感じている方の力になれたら」と来店を呼びかける。
営業時間は9時30分~18時。月曜定休。ウィッグのカットは電話のみで受け付ける。