北見市在住のライトノベル作家・長月おとさんの講演会が8月4日、北見市立中央図書館(北見市泉町1)で開催された。
長月さんは2021年、「わたし、聖女じゃありませんから」でデビュー。2023年には「特命! 変態伯爵様の罵(ののし)り係」が第2回アイリス異世界ファンタジー大賞審査員特別賞を受賞するなど、異世界を舞台とした恋愛ファンタジー小説を数多く執筆している。
長月さんは「ウェブから作家を目指す方法」と題し、30人ほどの参加者を前に作家デビューのきっかけや創作のコツを伝授。元々読書をするタイプではなかったが、子育て中のストレス解消のためスマホのメモ帳アプリに小説を書き始めたという。小説投稿サイトに掲載した作品が人気を集め、出版社から声がかかった。この間、わずか3年。「気がついたら作家になっていたという感じ。デビューへのハードルは低いので、好きなジャンルで書いて投稿してほしい」と創作を呼びかけた。
プロット(あらすじ・構想)を練る実践も。「主人公の目標は」「どんなヒーローと出会うか」「ヒーローと仲良くなった後に起きる問題は」など複数の想定問答を用意。参加者に好みの回答を選んでもらい、それらを組み合わせて物語を展開する方法を示した。
併せて、ネタ切れを防ぐために多くの作品に触れてインプットを増やす大切さも強調。「読んで感じた『萌え行動』をリストアップし、自分の作品に生かす」「映画や演劇の刺激が『創作貯金』となり、これがあふれ出ると新しいストーリーが生まれる」などと、独特の言い回しで参加者へアドバイスした。
講演会で話すのは初めてだったという長月さん。終了後にはサイン会も行い、参加者と交流。「ライトノベル小説を書いて投稿する仲間を増やし、低迷する出版業界を盛り上げたい」と意気込む。