北海道北見北斗高校(北見市北斗町1)で9月28日・29日、「東京大学法科大学院出張教室」が行われた。
2年の全6クラスを対象に、「公共」の授業の一環として企画。公共は2022年度から高校で導入された公民科の科目で、法や政治、経済など現代社会の仕組みを学ぶ。今回は、「社会の一員として主体的に課題解決に取り組む力の育成」を目的とした内容。
「東京大学法科大学院出張教室」は、東京大学大学院法学政治学研究科の学生有志が全国の中高生らを訪問し、法教育やキャリア選択について、授業を通して教える取り組み。法学の視点や魅力を分かりやすく伝えようと、2004(平成16)年から活動している。同校での実施は昨年に続き2回目。
講師を務めたのは、端野町出身で同校卒業生の石原卓弥さん。弁護士を目指し東大法科大学院に進学した石原さんは、地元の現状を知り「リアルタイムで北見の力になりたい」と、1年次の2025年5月に休学を決意してUターン。同年6月に教育事業を手がける「9かける9」を設立し、現在は学習塾の運営や体験イベントの企画などを通して教育の面から地域活性化に取り組んでいる。
授業では、「日本社会」を大型のボードゲームに見立て、「国民全員」でプレーすることで、「法」をゲームルールになぞらえて説明。身近な視点から法学への関心を引きつける解説となった。憲法13条(幸福追求権)について「幸福そのものではなく、幸福を追求する権利を保障している」と説明し、続く「公共の福祉」については、「単なる社会全体の利益ではなく、人権と人権が衝突した際の相互調整の原理」として、場面によって制約の強さが変わる仕組みを説いた。
後半は民法を題材に、コンビニエンスストアで買い物をする場面を想定したグループディスカッションを行った。「申し込み」と「承諾」がどのタイミングにあたるかを生徒同士で議論し、条文の解釈や自ら問いを立てることの大切さなど、法学の面白さや身近さを伝えた。
教室では生徒たちがじっと講義に耳を傾ける姿が見られた。授業を受けた2年の男子生徒は「普段の授業だけでは分からないような法律の話を聞くことができ、貴重な機会になった。これまで法律についてあまり考える機会がなかったが、授業を通して少し興味が湧いた」と振り返る。