北見に8月23日、「澪（みお）司法書士事務所」（北見市幸町3、TEL.080-8380-4967）が開所した。女性が所長を務める司法書士事務所は北見市内初。

　所長は千葉県市原市出身の楠本澪さん。高校卒業後、立教大学法学部に進学。在学中、資格の予備校で「女性も多数活躍している職業」として司法書士を勧められたことをきっかけに同職を目指す。大学卒業後は在学中からアルバイトとして勤めていた東京の司法書士事務所に就職。日々の業務と並行して資格取得の勉学に励み、2017（平成29）年、司法書士試験に合格し晴れて司法書士となった。

　その後、コロナ禍での出産・育児の大変さを経験した楠本さん。「子育てしながらでも働きやすい環境に移住できたら」と考えるようになり、これを機に、かねての夢である事務所の開所を実現するため、4月に夫の出身地である北見市にIターン。8月に開所に至った。

　「相続、事業承継、成年後見業務、遺言書のアドバイスなど、司法書士事務所で取り扱いができる業務にはできる限り対応していく」と楠本さん。「一般的に高齢夫婦では夫が先立つケースが多い。女性司法書士として独り身になった女性に寄り添い、細やかな対応をしていけたら」と話す。

　今後はリモートで東京の仕事を請け負いながら、自宅に新設した事務所で北見近郊の司法書士業務に当たるという。「Iターンしてみて、オホーツク地方の青空の美しさや自然の豊かさを知った。相続はもめ事やトラブルなどマイナスなイメージが多いが、北見で相続を通じて家族をつなげる『想続』のお手伝いができたら」と笑顔を見せる。

　開所時間は9時30分～16時30分。土曜・日曜・祝日定休。