木造大工の技術とデザイン力を生かしたオーダーメード家具を手がける「おいで家具」(美幌町美富)が、8月27日に10周年を迎える。
元自動車整備工場を改修した工房兼店舗の敷地面積を生かし、個人の住宅用家具から店舗の什器、ノベルティグッズの制作まで幅広く対応する。
店主の下小路智之さんは浜頓別町出身。北見市で約20年間、木造大工として住宅建設やホテルの内装工事に携わってきた。与えられた図面通りに作る技術職から、デザインやアイデアを自ら発信したいと考えが一転。家具製作への思いを募らせて独立を決意した。
妻である留美さんの「新しい町でスタートしたい」という希望もあり移住先を探していたところ、美幌町の新規起業支援制度を知る。プレゼンを経て採択され、縁もゆかりもなかった美幌町での開拓を決めた。店名は家族で愛されていた愛猫「おいでちゃん」に由来し、「誰もが気軽に来られる親しまれる場所にしたい」という思いが込められている。
強みの一つが、大切な家具をリサイズ・リメークするリフォーム事業。開店当初、引っ越しを控えた客から「思い出の詰まった大きなベンチを、椅子に作り替えてほしい」と依頼されたことがきっかけでスタートした。
学習机をテレビ台へ組み替える作業など「思い出を残しながら新しい形にする」取り組みが評判を呼び、今では注文の大きな柱となっている。
制作に当たっては、美幌町森林組合などを通じて地元の木材を購入・使用。地域に密着したものづくりを徹底している。
10年間の節目を記念し、感謝を伝えるイベントを8月30日に開催。店内の家具を活用した空間に、もともとは客として関わったパン店や菓子店、マッサージ店、アクセサリーショップなどが出店。地域住民と共に節目を祝う。
下小路さんは「困ったときに気軽に立ち寄れる、地元に根付いた場所であり続けたい。これからも美幌の木の魅力を発信しながら、一人一人の思い出に寄り添う家具を作り続けていきたい」と意気込む。
営業時間は10時~18時。火曜定休。